「高橋五山と紙芝居の世界:世界に広がる日本生まれの紙芝居」企画展を開催します!
2024・7・11~7・28 朝陽堂 群馬県吾妻郡東吾妻町原町444-2 (営業:木・金・土・日)
https://choyodo-web.studio.site/
本展では、戦前期の日本で初めて保育に導入され、教育現場での紙芝居活用を決定づけた高橋五山の「幼稚園紙芝居」シリーズの一部をご紹介します。また仏教紙芝居の嚆矢となる『花まつり』と五山考案の「はり絵」もあわせてご覧いただければ幸いです。
紙芝居はいま、海外にも広がりをみせています。本展では長年アジアで紙芝居の普及活動を行ってきた、やべみつのりさん(絵本・紙芝居・造形作家)の活動もご紹介しております。
紙芝居は昭和5年(1930)に誕生した街頭紙芝居に端を発し、印刷による紙芝居として発展していきました。街角などで紙芝居屋さんが演じた紙芝居は、原画のまま利用されましたが、今井よねの「キリスト教紙芝居」(1933)、高橋五山の「幼稚園紙芝居」(1935)・「仏教紙芝居」(1936)は印刷によるもので、宗教関係者や保育者が演者となりました。
テレビの登場とともに紙芝居屋さんは姿を消していきましたが、現在でも出版文化の中で紙芝居は生き続けて、教育現場や図書館などで活用されています。また、自作の紙芝居に取り組んでいる教育現場もあります。
紙芝居は生身の人が自分の声と手で扱うという、人間的な性質を備えているところに魅力があり、観客に独自の感動を与えてくれます。また同じ空間で、同じ作品をみんなで一緒に楽しむという一体感によって、穏やかで優しい気持ちが生まれるのではないかと思います。
紙芝居は街頭紙芝居誕生(1930)から数えて、間もなく100年(2030年度)になろうとしています。
本展では多彩な作品をお楽しみ頂くとともに、デジタル化された現代に、改めて日本で生まれ育った紙芝居のこれからの歩みにも、思いを巡らせる機会となれば幸いです。