芸術選奨文部大臣賞

昭和25年度(第一回)芸術選奨文部大臣賞について

この賞は芸術の各分野におけるすぐれた業績に対して、文部科学大臣から贈られる賞で、映画、演劇、音楽、文学、美術など5部門で構成され、映画部門の中には、映画、幻灯画、紙芝居が含まれていました。このように出版紙芝居は発展して、当時は映画や幻燈に並ぶメディアだったのです。第一回の映画部門では、高橋五山作『こねこのちろちゃん』(全甲社)を含む以下の5作品が受賞しました。

<第一回芸術選奨文部大臣賞の映画部門受賞作品>
【映画】『稲の一生』(日本映画社)・『蠅のいない町』(岩波映画製作所)
【幻灯画】『図説天文学』(光報導工芸研究所)
【紙芝居】『こねこのちろちゃん』(全甲社)・『おかあさんの話』(日本紙芝居幻灯株式会社)

『視聴覚教育』5巻2号(1951年5月、59頁)に「芸術選奨文部大臣賞の受賞作品」が紹介されています。さらに読売新聞朝刊(1951年3月16日)、毎日新聞日刊(4月1日・5月3日)、朝日新聞夕刊(4月1日)に関連記事が掲載されています。

紙芝居は昭和30頃まで絶大な人気を博したメディアであり、今でも出版が行われています。日本独自の紙芝居文化として、海外では「KAMISHIBAI」として知られており、研究も進んでいます。
参考までに、昭和25年度(第1回)「芸術選奨の文部大臣賞」に関する資料を掲載いたします。

芸術選奨の文部大臣賞
賞状